第1話 コンプレックス哲学
今日も一人森でやさぐれるヤンバルクイナ
ヤンバルクイナ「俺達はだらけていた。進化どころか退化した。
天敵があまりいなかった。向上心も無かった。
ヤンバルの森でみんなその日暮し。
そんなご先祖様のせいで俺は今飛べない。」
「やれマングースだ、やれ飛行機だ、やれヒップホップだ、
時代はすっかり変わっちまった。この森にも飽きがきた。
飛んでどっかに消えちまいたいぜ。
飛べたらどこに行きたいかって?那覇空港だよ。」
タクシーで空港に移動したヤンバルクイナ 飛行機に乗りながら一人
「世の中には俺以外にも飛べない鳥がいる。
そんなやつらに聞いて回りたいのさ。
なんでお前は飛べねえの?ってな。
おいカカポ、てめえの事だよ。しかもデブとは救えねえ。
今行くから茶菓子でも用意して待っとけや。」
カカポのいるニュージーランドに着いたヤンバルクイナ。
ヤンバルクイナ「おいデブ。待ったか?なぜにお前は太ってる?」
カカポ 「初対面の相手に手厳しいねえ。
お互い飛べない肩身が狭い仲間じゃねえか。なんで太ってるかって?
そりゃあ御先祖様がデブ専だったんだろうな。」
ヤンバルクイナ「お前もデブ専なのか?」
カカポ 「いや、今はデブしかいないから。」
カカポ 「だがデブも悪いことばかりじゃねえ。統計的にガリより長生き、冬でも寒くない。
しかし打撃に耐性があるってのは嘘だ。
ひとつ質問しよう。二つの島がある。
A島にはヤンバルクイナ100匹。B島にはカカポ100匹。
それぞれの島にネコを1匹ずつ放す。さてどっちの種がより長く生き延びると思うね?」
ヤンバルクイナ「どっちの島に食料が多いのか、その理屈はわかるがよ、
ネコに食べられるのはその中でも動きの鈍いデブの中のデブからだろ。」
カカポ 「ま、世の中適度なデブが生きやすいってことよ。」
ヤンバルクイナ「、、、デブについては許してやる。」
ヤンバルクイナ「しかし最近は、やれグローバリゼーションだ、
やれラップバトルだ、国際化が進んでいるな。
そのせいで俺はもともと俺なのに今や飛べない鳥よばわり。
お前はお前達の中では普通の体型なのに、今や珍しい緑のデブ。」
カカポ 「デフォルメだろうな。
情報が多ければ多いほどみんな平均と言う意識をもってしまう。
世の中の鳥に俺とお前しかいなければ、
鳥は元々飛べないもので片付いていたはずだ。」
ヤンバルクイナ「自分が揺らいじまうぜ。これも情報のせいだというわけか。」
カカポ 「ただ情報が無ければ俺とお前は知り合えなかっただろう。」
ヤンバルクイナ「、、、悪い気はしねえな。」
これから最も珍しがられる二匹の鳥が旅を始めるのだった。
今日も一人森でやさぐれるヤンバルクイナ
ヤンバルクイナ「俺達はだらけていた。進化どころか退化した。
天敵があまりいなかった。向上心も無かった。
ヤンバルの森でみんなその日暮し。
そんなご先祖様のせいで俺は今飛べない。」
「やれマングースだ、やれ飛行機だ、やれヒップホップだ、
時代はすっかり変わっちまった。この森にも飽きがきた。
飛んでどっかに消えちまいたいぜ。
飛べたらどこに行きたいかって?那覇空港だよ。」
タクシーで空港に移動したヤンバルクイナ 飛行機に乗りながら一人
「世の中には俺以外にも飛べない鳥がいる。
そんなやつらに聞いて回りたいのさ。
なんでお前は飛べねえの?ってな。
おいカカポ、てめえの事だよ。しかもデブとは救えねえ。
今行くから茶菓子でも用意して待っとけや。」
カカポのいるニュージーランドに着いたヤンバルクイナ。
ヤンバルクイナ「おいデブ。待ったか?なぜにお前は太ってる?」
カカポ 「初対面の相手に手厳しいねえ。
お互い飛べない肩身が狭い仲間じゃねえか。なんで太ってるかって?
そりゃあ御先祖様がデブ専だったんだろうな。」
ヤンバルクイナ「お前もデブ専なのか?」
カカポ 「いや、今はデブしかいないから。」
カカポ 「だがデブも悪いことばかりじゃねえ。統計的にガリより長生き、冬でも寒くない。
しかし打撃に耐性があるってのは嘘だ。
ひとつ質問しよう。二つの島がある。
A島にはヤンバルクイナ100匹。B島にはカカポ100匹。
それぞれの島にネコを1匹ずつ放す。さてどっちの種がより長く生き延びると思うね?」
ヤンバルクイナ「どっちの島に食料が多いのか、その理屈はわかるがよ、
ネコに食べられるのはその中でも動きの鈍いデブの中のデブからだろ。」
カカポ 「ま、世の中適度なデブが生きやすいってことよ。」
ヤンバルクイナ「、、、デブについては許してやる。」
ヤンバルクイナ「しかし最近は、やれグローバリゼーションだ、
やれラップバトルだ、国際化が進んでいるな。
そのせいで俺はもともと俺なのに今や飛べない鳥よばわり。
お前はお前達の中では普通の体型なのに、今や珍しい緑のデブ。」
カカポ 「デフォルメだろうな。
情報が多ければ多いほどみんな平均と言う意識をもってしまう。
世の中の鳥に俺とお前しかいなければ、
鳥は元々飛べないもので片付いていたはずだ。」
ヤンバルクイナ「自分が揺らいじまうぜ。これも情報のせいだというわけか。」
カカポ 「ただ情報が無ければ俺とお前は知り合えなかっただろう。」
ヤンバルクイナ「、、、悪い気はしねえな。」
これから最も珍しがられる二匹の鳥が旅を始めるのだった。